東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻 東京大学工学部都市工学科
都市資源管理 / 地域循環共生システム研究室


2011年度 卒業研究題目

Graduation Thesis 2011


今年度の卒業研究は,以下の大きく3分野に関する題目を提示する :

1  都市ストックのフットプリント分析 1-2名  a) 都市インフラのストック分析とフットプリント分析
 b) 耐久消費財のストック分析とフットプリント分析
2  サプライチェーンの環境負荷分析 1名   
3  容器包装3Rシステムの評価と分析 1-2名  a) 容器包装のリデュースとリサイクルのLCA
 b) 容器包装リサイクル制度の国際比較分析

他にも,学生からの自主的なテーマ提案の相談にも応ずる。柔軟かつ論理的な思考と幅広い視野を持ちながら,自ら強い問題意識をもって,設定した課題を深く掘り下げることを求める学生を歓迎する。

2011年度 卒業研究題目 (PDF版)

説明会 : 5月11日(水) 12:30-13:00 @4年生演習室



  1. 都市ストックのフットプリント分析 [1-2名] :
製品やサービスが,原料採掘から廃棄までの段階で,どのくらいの環境負荷を出したか,定量的に可視化するために,様々なフットプリント分析が行われている。代表的なものとして,温室効果ガス排出に着目した「カーボンフットプリント」,水消費に着目した「ウォーターフットプリント」、資源消費に着目した「エコロジカル・リュックサック」などがある。

 a)  都市インフラのストック分析と
 フットプリント分析
 本題目では,土木構造物や建築物などの都市インフラを対象として,そうした過去から都市に蓄積されてきた物資を資源としてとらえ,物質フロー・ストック分析(MFSA)を用いて蓄積量を定量化するとともに、フットプリント分析によって,都市インフラの国内の他地域や国外への依存度を評価する。
 b)  耐久消費財のストック分析と
 フットプリント分析
 本題目では,家庭が保有する家電製品などの耐久消費財を対象として,物質フロー・ストック分析とフットプリント分析を行う。家電製品は,生産段階のみならず,使用段階でも環境負荷が大きく,廃棄段階の環境負荷も無視できないことが知られており,それらの条件(シナリオ)設定とフットプリント分析の結果の関係を解析する。



  1. サプライチェーンの環境負荷分析 [1名] :
本題目では,産業連関分析(IOA)を用いて,様々な分野の製品・サービスについて,消費者の手に届くまでのサプライチェーンのどういった段階,どういった分野で,どのくらいの環境負荷を出しているか分析することで,都市活動の隠れた環境負荷を明らかにする。電力需給がひっ迫していることから,どのような消費活動が間接的に電力を消費しているかに力点をおく。

サプライチェーンと環境負荷



  1. 容器包装3Rシステムの評価と分析 [1-2名] :
容器包装の3R(リデュース・リユース・リサイクル)が推進されているが,現状の3Rシステムは必ずしも十分ではなく,さらに環境負荷の低減を目指す必要がある。

リサイクルのLCA

 a)  容器包装のリデュースと
 リサイクルのLCA
 本題目では,容器包装のリデュースとリサイクルが競合する事例(例えば,生鮮食品の袋売りと発泡トレイのリサイクル)の環境負荷を,ライフサイクル評価(LCA)によって,消費者の行動と関連付けて比較評価する。
 b)  容器包装リサイクル制度の
 国際比較分析
 本題目では,我が国と諸外国の容器包装リサイクル制度を,費用負担,リサイクル技術,容器包装の形態などの観点から比較分析することを通して,日本の容器包装リサイクル制度の改善に向けた提案を行う。



卒業研究について,より詳しく知りたい人は,メールで連絡を :

yuichi [at] env.t.u-tokyo.ac.jp
nakatani [at] env.t.u-tokyo.ac.jp